ルーテル教会とは?
○ 私たちは、「日本ルーテル教団」に所属するキリスト教会です。
「ルーテル教会」とは、みなさんが学校の歴史の時間で習った「マルティン・ルター」が主張した信仰のあり方を大事に信仰生活を送る教会です。
ルターをアルファベットで書くと、“Luther”となり、ドイツ語ではそれを「ルーテル」と読むことも可能です。ルターの主張に共鳴する信徒たちが、周りの人たちから「あいつらはルーテルだ」と呼ばれたことが、「ルーテル教会」の名称の由来です。

マルティン・ルターの紋章
(ルーテル教会のシンボルマーク)
○ キリスト教会には、大きく分けて「東方正教会」と「西方教会」の二つの流れがあります。
「東方正教会」は、ギリシア正教やロシア正教などで知られている教会です。日本では「日本正教会」と呼ばれ、東京御茶ノ水のニコライ堂や北海道の函館ハリストス正教会が有名ですね。美しいイコンも、東方正教会で発展した宗教芸術です。
「西方教会」は、これまた大きく分けて二つの伝統があります。一つは「ローマ・カトリック教会」と、もう一つは「プロテスタント」と呼ばれる諸教派・諸教会です。私たちのルーテル教会は、この中のプロテスタントと呼ばれる伝統にある教会です。
○ 中世の西方キリスト教会は、司祭や司教・教皇など聖職者中心の体制にあり、また、聖書そのものの教えよりも、教会が勝手に考え出したさまざまな事柄が大切にされ、私たちが神さまの救いをいただくためにいろんな修行をしたり、寄付をしたりしなければならないと教えていました。また、教会の建物を建てるために、お札が売られ、そのお札を買ったら、先祖の魂が救われるなどと、聖書の教えとはまったく異なることを吹聴していたりしました。
そうした中、ルターは、私たちが神さまの救いをいただくのは、そうした私たちの側で何か苦しい修行をしたり寄付をしたりしなければならないというのではなく、ただただ神さまの恵みによってのみ与えられ、それを信じることのみが必要であると主張しました。そして、その神さまの救いについての教えは、教会が勝手に考え出した事柄にではなく、ただ聖書の中だけに語られているということをも強調しました。さらには、教会は聖職者が中心なのではなく、イエス・キリストこそ教会の中心であり、キリストのもとで、みんなは平等に、神さまに仕え、教会に仕えるものだとも語りました。
これらのルターの主張を、「恵みのみ」「信仰のみ」「聖書のみ」の「信仰義認」の教理及び「全信徒祭司性(万人祭司)」と呼んでいますが、多くの人がその主張に共鳴し、「宗教改革運動」となって展開されました。その発端とされるのが、1517年10月31日のルターによる、いわゆる「95か条の提題」の発表です。(ちなみに、この10月31日が、プロテスタントの諸教会で「宗教改革記念日」とされています)
しかし、残念ながら、当時は、教会の当局側が、なかなかルターの主張に理解を示さず、結局、ルターは当時の教会から破門されてしまい、その結果として、(これはルターが望むところではなかったのですが)新しい教派が誕生することになりました。これがルーテル教会です。
時を同じくして、ドイツのルターのほかにも、フランスのカルヴァン、スイスのツヴィングリらも、それぞれ当時の教会の改革を訴え、自分たちの信仰を表明しました。こうした人たちを、当時の人たちは「表明者」=「プロテスタント」と呼んだのです。なお、「プロテスタント」には、「抗議者」という意味もあります。
当時は、既存のローマ・カトリック教会も、「プロテスタント」と呼ばれたルーテル教会をはじめとする宗教改革者の教会も、お互い行き過ぎてしまい、争いになってしまったり、非難しあったりしてしまいましたが、今日では、そのように教会と教会が争うことは神さまの望むところではないと反省し、違った伝統にあっても一緒に協力して神さまを伝え、またお互いの教会のよいところを学び合っていこうという努力がなされています。

ルターの肖像
(ルカス・クラナッハ画)
○ ルーテル教会は、ドイツから北欧に広がり、また、その後、アメリカ、カナダ、アジア、アフリカ、ラテン・アメリカにも広がり、現在では世界中に存在しています。現在、世界で、およそ8260万人の信徒がいるとされています。
ルーテル教会が日本で伝道を始めたのは、1892年のことです。アメリカからの宣教師が熊本で宣教を開始いたしました。これは、私たちの教団と姉妹教会の関係にある、日本福音ルーテル教会の始まりです。
私たちの教会が所属する日本ルーテル教団は、1948年9月19日、アメリカのミズーリ・ルーテル教会The Lutheran
Church--Missouri Synodの宣教師が、東京で宣教を開始したことに始まります。その後、関東・北海道・新潟・沖縄で宣教を展開し、その各地で地域教会が生み出され、現在は、34教会・およそ3000名の信徒によって構成されています。
私たちの日本ルーテル教団と地域教会は、教会での宣教のほか、各地で幼稚園や保育園の運営に携わっています。また、埼玉県にある小・中・高一貫教育の浦和ルーテル学院と、中学・高校の聖望学園も、私たちの教団の傘下にある学校です。日本福音ルーテル教会と共同でルーテル学院大学・日本ルーテル神学校も運営しています。
国際的なルーテル教会の交わりとして、ルーテル世界連盟及び国際ルーテル協議会のメンバーでもあります。

○ 私たちの大宮シオン・ルーテル教会は、1951年に宣教を開始し、1978年に現在の埼玉県さいたま市北区の東大成にある教会堂と牧師館が与えられ、現在に至っています。
